昨秋、九州国立博物館と長崎歴史博物館の共同研究として行われた
興福寺さん(長崎市寺町4-32)の仏像調査の結果、
お釈迦様の胎内に五臓六腑が発見されました。
一昨年、同じ黄檗宗の聖福寺さんでお仏像様から五臓六腑が発見された
ニュースも記憶に新しいですが、
特に胎内に収められた状態での発見は「世界で初めて」ということだそうです。
参拝する私達を毎日見守ってくださるお釈迦様の体の中に、
計り知れない歴史の奥深さを感じると共に、
私達、じげもんにとって長崎固有の偉大な歴史の息吹を感じる、
嬉しくて大きなニュースだと思いませんか。
某月某日。興福寺さんにお寺の歴史、インゲン和尚様について、
そして今回の仏像調査についてお話を聞きに伺いました。
いつ足を運んでも心が和みます。
やはり日本のお寺とは雰囲気がまた違いますよね。
今回の調査ではX線(レントゲン)を使用するため、参拝の方が帰られて閉門後、
本堂(正式名称、大雄宝殿※)を締め切ってから開始されました。
お釈迦様の胎内にはっきりと確認された五臓六腑は金属製で、
中国で作られ、完成後に長崎に運び込まれたそうです。
中国では古くから仏像内に五臓六腑の模型を納めることで、
生命が宿る「生身の仏」とみなす風習がありました。
きっと中国の仏師達は、長崎に移り住んだ同朋の
「心の平安」を願いながら、このお釈迦様を彫られたのでしょうね。。。
本堂の丸窓。
この窓、釘を使わず、カンナやのこぎりで調節しながら
木を一本一本組み付けて作られています。
明末期を代表するこの様式は現在の中国でも
これだけ大きなものは残っていないそうです。
この丸窓だけではなく、本堂、大雄宝殿は明末期の中国建築で、
天井の隅々まで施された丁寧な彫り物、
その中央に掲げられた大きくて立派なガラス製のランタン、
そして羊の角を飴状に溶かして制作された中国独特の灯篭など、
素晴らしい国指定の重要文化財をすぐ間近で見ることができます。
興福寺さんは、2月3日の節分会の豆まき(7時半、8時、8時半、9時)、
そしてランタンフェスティバル(17日媽祖行列到着式、24日媽祖行列出発式)
と、楽しい祭事が続きます。
長崎の歴史の息吹を感じに足を運んでみてはいかがでしょうか?
ちなみに、本堂のお釈迦様はランタンフェスティバルが終わった後、
更なる研究調査のために300年の時を経て、
高速道路で福岡までCTスキャンを撮りに行かれるそうですよ~。
(※大雄宝殿、読み方は「だいおうほうでん」、大雄はお釈迦様の呼び名です。)
参考文献:興福寺通信 新春号